USJデビュー前。
リハーサルは、想像していたよりもずっと厳しいものでした。
心が折れかけていたあの日、私は映画『The Greatest Showman』を観に行きました。
USJデビューまでのリハーサル期間。
正直に言えば、私は少し甘く考えていたのだと思います。
この期間さえ乗り越えれば、
あとは舞台に立ってやっていける。
そんなふうに思っていました。
でも、その甘さはすぐに見抜かれました。
演出家の方から言われた言葉は、
今思い出してもなかなか強烈なものでした。
ボロカスに言われた、と言ってもいいくらいです。
(恨んではいません。笑)
もちろん、それはショーを良くするため。
プロとして当たり前のことだったのだと思います。
なんなら、今は私ヘの愛の鞭だったと思っています。
でもその頃の私は、
心が追いついていませんでした。
このままだと、本当に心が折れてしまうかもしれない。
そんなところまで追い込まれていました。
そんな2週間に渡るリハーサルの時期に1日、
本当にたった1日だけ休日がありました。
ミュージカルが好きだった私は、
ちょうど公開されていたあるミュージカル映画を観に行きました。
それが
『The Greatest Showman』でした。
ショービジネスの世界で成功を目指した
P.T.バーナムの物語。
エンターテインメントとして成功するために、
あらゆる手を使い、ショーを作り上げていく姿。
その生き方には批判もあったようですが、
私の心に残ったのは、劇中の音楽ではなく、
映画の最後に出てきたこの言葉でした。
The noblest art is that of making others happy.
最も尊い芸術とは、人を幸せにすることである。
その言葉を聞いたとき、
自分の覚悟がようやく決まりました。
人を楽しませること。
人を笑顔にすること。
それを仕事にすること。
それこそ、自分自身で選んだ、新しい世界への入り口。
その前で、立ち止まっていた自分が一歩踏み出す覚悟を決めた。
そう思えた瞬間でした。
あの日観た映画は、
ただの娯楽ではなく、
エンターテイナーとして生きていく覚悟を
そっと背中から押してくれた作品でした。
最も尊い芸術とは、人を幸せにすること。
この言葉は、今でも私の中に残っています。
生涯エンターテイナーとして。

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