元USJエンターテイナー教師がやった、国語の授業が“ショー”になった日

「ワクワク」から「やってみたい」へ

光村図書4年生「風船でうちゅうへ」
指導書を見たときに、正直こう思った。

「このままやるの、もったいないな。」

もちろん教材自体は面白い。
でも、「読む→読みたくなる書き方→要約」だけで終わるには、もったいない内容だと感じた。

どうせやるなら、
子どもたちが、「やってみたい」「伝えたい」と思える単元にしたい。

そう考えて、単元全体を組み立てた。

「やってみたい」から「伝える」へ

今回の単元で大切にしたのは、
説明文を「素材」として扱い、「新しいものを創りだす」ということ。

ゴールは、
「筆者の書く手法を真似て、読み手がワクワクする説明文を書くこと」

そのために、全7時間の中で、

  • ワクワクを感じる導入 1時間
  • インプロ(即興劇)で発想を広げる時間 1時間
  • 説明の「技」に気づく時間 1時間
  • 実際に書く時間 4時間

をつないでいった。

すべてを変えた、2時間目のインプロ

今回の実践の中で、一番のポイントはここ。

2時間目に、「即興インプロショー」を入れたこと。

題して「未来文房具EXPO 2050」

先生が番組MC、子どもたちは商品開発部の皆さん。

「どんなものでもいい」
「ありえないものでもいい」
そんな前提で、子どもたちと一緒に即興で商品開発をしていった。

  • 何でも切れるハサミ
  • 勝手に円を描いてくれるコンパス
  • 折れない鉛筆

やってみて感じたのは、

「身体を使って考えたことは記憶に残る」ということ。

笑いながら出てきたアイデア、
その場のノリで生まれた設定。

それらが、そのまま
「書いてみたい内容」として子どもたちの中に残っていった。

時間の都合で、各班1回ずつしかできなかったが、
終わったあとに出てきたのは、

「もう一回やりたい!」

という声。

それだけで、この時間の価値は十分だったと思った。

説明の「技」は、シンプルに

3時間目に説明文の本文に戻り、読み手をワクワクさせる工夫に目を向けた。

いくつかある中でも、特に多かったのが、

  • 具体的な数字を出す
  • たとえを使う
  • 自分の考えを書く

このあたり。

たとえば、

「すごいペン」ではなく
「10秒で400文字書けるペン」

それだけで、一気に伝わり方が変わる。

子どもたちも、
「おぉ!」と実感をもって受け取っていたのが印象的だった。

子どもたちにとって、「すごい」では伝わらない。
「どのくらいすごいのか」を言葉にした瞬間、説明になる。

あと、みつけた技に名前を考えてもらうのも面白かった。

パスOKが生んだ「見えない参加」

少し話は遡るが、インプロショーの発表は4人班で行った。
ただし、パスはOKにした。

ある班では、恥ずかしさもあって、
1人以外ほとんど発表しない場面もあった。

でも、その班の子どもたちが、何もしていなかったかというと、
決してそんなことはなかった。

メンバーの発表を聞きながら、
他の班のアイデアも聞きながら、
頭の中ではしっかりと考えていた。

その後のアイデアを書き出す時間では、

  • 自分なりのアイデア
  • 他の班からヒントを得た発想

をもとに、しっかりと未来の文房具の説明を書いていた。

見える発言だけが参加ではない。

それを改めて感じた場面だった。

先に「表現」があると、学びが変わる

今回の実践を通して感じたのは、

「書く前の体験」が、その後の書く活動に大きく影響するということ。

いきなり書かせるのではなく、
まずは表現させる。

動いたり、話したり、笑ったり。

その中で生まれたものが、
自然と「自分の書きたいこと」につながっていく。

そう、インプロは「発想」を「体験」に変えるためのものだった。

そして先生は、
子どものアイデアを引き出すファシリテーターであること。

今回のインプロは、
ファシリテーターの役割や、即興で出るアイデアの面白さを実感できた。

書かせる前に、表現させる。

それだけで、子どもの学びは大きく変わる。

みなさんの教室には、
「書く前の体験」はありますか?